インフィニオンテクノロジーズが自動車用の新世代マイクロコントローラ「TC1775」を発表

2000/02/01 | マーケットニュース

インフィニオンテクノロジーズは、同社の今後の自動車用マイクロコントローラ戦略の中核となる32ビットマイクロコントローラ「TC1775」を発表しました。このチップは0.25μm技術で生産され、自 動車用途に対応した電圧5VのI/Oを備えています。最初のサンプルはすでに複数の客先に納入されています。2001年夏に量産を開始する予定です。

「TC1775」は自動車パワートレイン用に設計されています。32ビットプロセッサ「TriCore」(トライコア)、32ビット周辺制御プロセッサ(PCP)、強 力で柔軟な周辺ユニット群などで構成されています。

自動車電子制御システム業界では、開発時間の短縮が求められています。そのためには、システムソフトウェアを適切に階層化することが重要です。マイクロコントローラ「TC1775」の アーキテクチャはこの要求に対応して設計され、ソフトウェアを1)制御アルゴリズムを走らせる応用レベル、2)低位ソフトウェアドライバや通信モジュールに関連する伝達レベル、3)入 力信号の収集と出力信号の発生を行う物理レベルの3階層に分割して扱うことができます。

32ビット「TriCore」プロセッサ
「TriCore」は、リアルタイム制御用に最適化されたスーバースカラ32ビットRISCプロセッサです。強力なコンテキストスイッチを装備し、単一のCPUによって、RISC命令、DSP命令、コ ントローラ命令の3つを処理します。「TriCore」では、16ビット命令と32ビット命令を併用することが可能です。この結果、高い処理能力とコード量の最適化が両立され、他 のアーキテクチャと比較してコードメモリを最大30%節減することができます。

周辺制御プロセッサ
周辺制御プロセッサ(CPC)は、「TC1775」の転送レベルを受け持つ第2の32ビットプロセッサです。効率的な論理および算術演算機能と包括的なDMA(直接メモリアクセス)機能を持ち、オ ンチップ周辺の動作を管理します。

オンチップ周辺
「TC1775」には、高度の自律性を備えた汎用タイマアレイ(GPTA=General Purpose Timer Array)、2つの12ビットA/Dコンバータ( TwinADC)、自動ゲートウェイ機能を持つ2つのCANモジュール(TwinCAN)など、パワートレイン用途向けの強力な周辺ユニットが装備されています。周辺、コア、メ モリの相互間データハイウェイとして、32ビット「FPI(Flexible Peripheral Interface)バス」が使用されています。

「TC1775」は、インフィニオンの自動車組み込みシステム向けマイクロコントローラ「AUDO」ファミリの最初のメンバーです。今後、パワートレイン、ボディ制御、安全システム、情 報娯楽などの用途に対応した広範囲のデバイスファミリが供給されることになっています。

包括的な開発ツール
インフィニオンは、「TriCore」開発の初期段階から、著名な開発ツールメーカーやOSメーカーと緊密な共同作業を行ってきました。こ れらのメーカーからすでに標準的な開発システムが供給されています。さらに、レジスタ設定支援ツール、アプリケーション指向のソフトウェアモジュール、ライブラリなど、各 種の設計ツールがインフィニオンから供給されます。

Information Number

INFAI200002.040